気温の高まるシーズンや高温になる作業現場では、働く人々の健康や安全を守るために、今や空調服は欠かせないアイテムになっています。ただし一口に空調服といっても、素材や機能あるいはデザインなど多種多様。使用するシーンに合ったタイプを選ばないと、せっかくの空調服も十分に効果を発揮できないこともあります。
そこで、シーンごとに最適な空調服の種類について、ここから紹介していきます。
建築現場で活躍できる空調服はこれ!
建築現場では炎天下の中でハードな動きを求められるシーンが多々あります。空調服のファンで体温を冷却すると同時に、素材にもこだわる必要があります。スタンダードな種類としては、薄手の綿素材を採用したワーク空調服がおすすめ。
綿100%なので吸湿性に優れる上、着心地や肌触りは抜群です。建築現場では高所での作業も珍しくありません。特に作業員の安全確保のために、フルハーネス安全帯の着用は必須。そこで注目したいのが、フルハーネス安全帯仕様の空調服です。
背中にはランヤードの取り出し口がある他、両胸にはハーネスに接続する休止フックホルダーも付属しています。また綿100%の高密度な素材なので、空調ファンの空気漏れも極力防ぐことが可能です。落下物や転倒の危険がつきまとう建築現場では、ヘルメットの着用が原則です。
ただし風雨にさらされる状況になると、フードをかぶる際にヘルメットが邪魔になることもあります。この点、フード付きのポリエステル製ワーク空調服なら大丈夫。ポリエステルのソフトな風合いなので、ヘルメットの上からでも余裕をもってフードをかぶることが可能です。
撥水性や透湿性にも優れているので、風雨にさらされる屋外の現場にも対応できます。両腰に設置された空調ファンからは、頭部のフードまでスムーズに風が流れ、作業する方に涼しさと快適さを与えます。
工場や作業所の現場ならこの空調服!
ボイラーを扱う工場や、空調設備が不十分な作業所など、高温になりやすい屋内の現場でも、空調服が大活躍します。まずポリエステル製のワーク空調服ならば、汗をかきやすい状況でも大丈夫。透湿性に優れているので、高温で湿度の高い環境でも快適に過ごすことが可能です。
また生地もソフトな風合いで軽量なので、ハードな動きが必要な現場にも対応できます。半導体のような精密機器を扱う工場や作業所では、静電気は厳禁。製品を破壊したり、設備の誤動作を招くおそれがあるからです。当然このような現場で着用する作業服にも、静電対策を施したものが求められます。
そこで注目したいのが、綿とポリエステル混合の制電空調服です。生地には導電性繊維を採用しているので、衣服に帯電しにくいのが特徴。また綿とポリエステルの素材によって、吸水性や速乾性そして肌触りにも優れます。
車の整備工場のような現場では、つなぎ服を着用するシーンが多々あります。一般的に通気性が悪く、熱がこもりやすいつなぎ服であっても、空調服なら心配無用です。腰の部分に設置された空調ファンによって、外気が下半身にまでスムーズに流れ込みます。
生地も綿とポリエステルの高密度混紡素材であれば、空気を漏らさずにしっかりと涼しさを維持します。製品によっては腰のファスナーで、下半身への風の流れを調整できるタイプもあります。
火器を扱う現場でも、これなら安心!
溶接などで火器を扱う現場ならば、難燃性素材の空調服が必見です。綿100%の難燃加工素材の場合、自己消火性があるので安全。
生地に着火してもそのまま炭化して、延焼するのを防ぎます。しかも燃焼した箇所は穴が空きにくい上、溶融しないことも見逃せないポイントです。またタフな綿厚手生地を採用しているタイプのものなら、引き裂きや摩耗にも強さを発揮します。
さらに洗濯を繰り返しても高い難燃性をキープします。もちろんコットンの快適性もそのままです。空調による涼しさや快適さ、そして難燃素材の安全性を両立した、優れた空調服と言えるでしょう。
運送や物流の現場ならこれ!
トラックから荷物の積み下ろしを繰り返す運送業や、倉庫で荷物を抱えて素早い移動が求められる物流の現場でも、空調服が重宝します。特におすすめなのが、ポリエステル製の空調ベストです。軽量なのでスピーディーな動きが必要なシーンにはピッタリ。
ソフトな肌ざわりで浸透性や透湿性にも優れており、汗をかきやすい状況でも空調ファンの機能と伴って、軽快に作業を進めることが可能です。もっと手軽に空調服を着用するなら、ベストタイプの空調服も見逃せません。作業着の上から着用できるため、作業の内容や現場のシーンに合わせて、柔軟な着脱を可能にします。
例えばトラックからの乗り降りに合わせて着脱したり、接客のために作業の途中で急いで脱ぐ場合など、様々なシーンで便利に活用できる空調服です。屋外で作業する運送の仕事では、直射日光による赤外線や紫外線から体を守る必要もあります。
特に女性の方にとっては、お肌へのダメージは心配。そこで、赤外線と紫外線のカット機能を備えた空調服がおすすめです。
生地の内側に金属チタンを特殊な製法で加工しているので、赤外線による温度の上昇や、紫外線から来るお肌へのダメージを、効果的に防ぐことができます。その上、防臭機能も備えているため、ニオイの気になる女性には最適な空調服と言えます。
撥水性や透湿性にも優れており、風雨にさらされやすい屋外での作業にも、空調ファンを起動させながら快適に過ごすことが可能です。
夜間の作業現場ならこのタイプ!
道路の工事や鉄道の保線業務など、夜間あるいは深夜に作業を行う現場もあります。このような現場で重要なのが、作業員の視認性です。暗闇の作業では、ちょっとした不注意でも事故が起きやすく、リスクの高い現場と言えます。
作業員を事故から守るためにも、人物がハッキリ見えて、お互いがしっかりと認識し合える、高い視認性を備えた作業着が求められます。そこでおすすめなのが、蛍光生地と再帰性反射材を採用した高視認性空調服です。着用者の存在がよく目立つので、日中や薄暮はもちろん夜間や深夜においても、人対車両事故といったリスクの低減につながります。
現場のニーズに合った最適な空調服を選ぼう!
暑さや熱中症への対策として、空調服を取り入れる現場も数多くあります。ただし現場ごとに作業環境が異なるため、空調服もそれに合わせて選ぶことが大切です。単に暑さ対策だけでなく、機動性や耐久性あるいは安全性といった様々な現場のニーズから、最適な空調服を選ぶことが重要なポイントになります。
もし選び方がわからないのであれば、専門店やメーカーに直接相談することをおすすめします。
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